【金沢市 データ編】伝統と革新で進化を続ける北陸地方の要 金沢市

2017.08.18

 石川県のほぼ中央に位置する県都・金沢市。江戸時代、前田家のもと加賀藩の城下町として発展。戦災に遭わなかったことから、歴史的な街並みが残されており、加賀百万石の多彩な伝統・文化が今も人々の生活に根付く。2015年春の北陸新幹線開業に伴い、首都圏とのアクセスが大幅に短縮され、経済、産業、観光などあらゆる面で、再び注目を集めている。

各種地域統計データからみる 金沢市

 金沢市には197,250世帯、452,144人が居住している。石川県では最大の都市で、2009年から2014年にかけて、人口は2.1%増加している。県全体と比較すると、年代別人口構成では20・30・40代人口の割合が高く、70歳以上人口の割合が低い。世帯人員では、1人世帯割合が高くなっている。住宅の状況をみると、持ち家世帯、一戸建て世帯の割合ともに県平均を大きく下回っている。小売業の年間販売額は県内の市町村で最も高く、第2位の白山市を大きく引き離し、県最大の商業都市であることが窺える。
 その他の市をみると、金沢市に隣接する野々市市は、面積が13.6㎢という小さい市でありながら、人口密度は3826.3人/㎢と県内で最も高く、人口増加率も11.6%と突出して高い。特に、30代以下の人口割合が高く、平均年齢も39.7歳と若い。1人世帯割合は県全体と比較して、14.8ポイント、金沢市より7.8ポイントも高い。野々市市は、金沢市のベッドタウンとして発展し、さらに、市内には石川県立大学や金沢工業大学が立地していることもあり、県内でも特に若い世代が多く住む地区となっていることが窺える。
石川県内主要都市商圏データ比較( 人口が5万人以上の市区町村)

石川県内主要都市商圏データ比較( 人口が5万人以上の市区町村)

※2009&2014年住民基本台帳、2010年国勢調査、2007年商業統計

石川県を1とした場合の各指標(石川県内主要都市構成比÷石川県構成比)

石川県を1とした場合の各指標(石川県内主要都市構成比÷石川県構成比)

金沢市アンケート

 金沢駅半径7km圏に居住する生活者にインターネット調査を実施。普段の買物・ショッピング(ファッションや休日の買物)別に買物場所や交通手段を聞いた。
買物場所は、複数回答で上位5施設を掲載(性年代別には上位3施設を掲載)

◆普段の買物

 普段の買物の利用率が最も高かったのは、「スーパーセンタームサシ金沢店」で、「イオンもりの里店」が次に続いた。性年代別にみると、20〜34歳女性、35〜49歳女性では、「イオンタウン金沢示野」が最も高く、50〜69歳女性では「近江町市場」が最も高い。男性では、「スーパーセンタームサシ金沢店」や「MEGAドン・キホーテラパーク金沢店」が高くなっている。
スーパーセンタームサシ金沢店(左)は県内最大級の巨大なホームセンター。隣には、スーパーのアルビスを中心としたショッピングセンターのイータウン金沢がある

スーパーセンタームサシ金沢店(左)は県内最大級の巨大なホームセンター。隣には、スーパーのアルビスを中心としたショッピングセンターのイータウン金沢がある

金沢バイパス(国道8号)に隣接するマックスバリュと専門店からなるイオンタウン金沢示野(左)、杜の里地区にあるイオンと専門店からなるイオンもりの里店(右)

金沢バイパス(国道8号)に隣接するマックスバリュと専門店からなるイオンタウン金沢示野(左)、杜の里地区にあるイオンと専門店からなるイオンもりの里店(右)

金沢市民の台所・近江町市場。約300年もの間、金沢の食文化を支え続けている

金沢市民の台所・近江町市場。約300年もの間、金沢の食文化を支え続けている

◆ショッピング(ファッションや休日の買物)の買物

 ショッピング(ファッションや休日の買物)では、金沢駅前にあるファッションビル「金沢フォーラス」が最も高く、次に「大和香林坊・アトリオ」、「めいてつ・エムザ」が続く。ただし、50〜69歳では、男女ともに「金沢フォーラス」よりも「大和香林坊・アトリオ」、「めいてつ・エムザ」が高くなっている。
イオンリテールが運営する金沢駅東口の金沢フォーラス(右)、金沢名鉄丸越百貨店が運営するめいてつ・エムザ。近江町市場の対面に位置する(右)

イオンリテールが運営する金沢駅東口の金沢フォーラス(右)、金沢名鉄丸越百貨店が運営するめいてつ・エムザ。近江町市場の対面に位置する(右)

金沢市の繁華街として知られる香林坊エリアには、老舗百貨店である大和香林坊とファッションビルのアトリオ、対面には香林坊109がある

金沢市の繁華街として知られる香林坊エリアには、老舗百貨店である大和香林坊とファッションビルのアトリオ、対面には香林坊109がある

◆2015年春 北陸新幹線開業『東京-金沢2時間28分に』

首都圏への訪問頻度/ これまでとこれから

首都圏への訪問頻度/ これまでとこれから

生活者の声

「東京が日帰り圏内に」

▶待ちに待っていたので、本当に嬉しい。今まで泊まりでしか行けなかった東京へ日帰りで行けるのはすごい。(26歳女性 アルバイト)
▶関東圏や長野との相互交流が盛んになる期待感が強い。今まで以上にこうした地域に行ってみたいという意識が強くなった(42歳男性 公務員)

「今後に期待できる」

▶冬の長い石川ですが、年間を通して活気あふれる街になるといい。(58歳女性 専業主婦)
▶街全体に活気が出てきていると思います。石川県自体のブランド力アップと経済効果に期待しています。(33歳女性 会社員)
▶観光客が増えたり、企業誘致が増えると思う。(35歳男性 会社員)

「一方で、不安な思いも・・・」

▶開通によって、首都圏と北陸の人々の行き来が多くなり、経済が活性化されると思う反面、北陸の個性の維持、独立性が保たれるか、また首都圏への人口移動が起きないか、不安な面もある。(52歳男性 会社員)
▶人の流れが変わり、地方の中核のみが賑わって、周辺の過疎化が進まないか心配(38歳男性 無職)
▶関東圏と人的・文化的交流が増えるが、これまでの金沢の奥ゆかしさが薄れていくと思う。金沢独自の文化・風土を維持していくのが大変だと思う。(59歳男性 自営業)

◆街のイメージ

~歴史・伝統あふれる街でありながら、今後の発展も期待できる街~

 金沢市の街のイメージを聞いたところ、「食べ物がおいしい」「歴史と伝統を感じる」「文化、芸術性のある」「安心、安全な」「自然環境の豊かな」といった項目が上位にあがっている。一方、「電車の利便性」、「レジャー・エンターテインメント施設の充実」や「都会的な雰囲気」といった項目は低くなっている。
 注目すべきは3位にランクインした「文化、芸術性のある」(86.7%)だ。金沢市の中心部にある「金沢21世紀美術館」は、今や世界中から多くの人が訪れる現代アートの発信地となっている。また、古くからさまざまな伝統工芸が花開いた金沢市は、今でも市民の中に高い美意識が根付いているようだ。

◆街の魅力

「古いもの・新しいものの『融合』」

▶伝統文化が沢山あり緑も多く静かな街並と若い人たちの新しい文化も兼ね備えたいいところ
▶城下町の歴史と伝統を守りつつも、近代都市としての機能も兼ね備える程よいバランスの良さ
▶同じ金沢市内でも、都会的な面や、芸術、歴史的な面、自然豊かな面などたくさんの面を持っている

「加賀百万石の歴史・伝統・文化」

▶戦災を受けていないので、街並み、路地に昔からの風情が感じられる
▶四季を感じることができ、海、山に近く、文化・伝統にあふれる街
▶伝統文化が生活の一部である

「自然と食の豊かさ」

▶海の幸がおいしい
▶なんといっても、食べ物がおいしい。普通の居酒屋でもおいしい刺身が食べられる
▶四季がはっきりしているし落ち着きのある街
※金沢市の街アンケート調査概要/金沢駅半径7kmに在住する20〜69歳の男女300人を対象にインターネット調査を実施 
実施日:2015年3月21日~3月22日 調査主体:読売IS 実査:楽天リサーチ
記事作成:2015 May

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