30代女性のメディア接触

2017.11.02

 近年のメディアの発展は情報を効率よく得ようとする生活者の選択肢を増やすと同時に、消費しきれない情報があふれる「情報過多」な状況を生み出しました。
 24時間という限られた時間で消費できる情報量に限界がある中、女性たちはメディアからどのように情報を取捨選択しようとしているのでしょうか。
 今回のFlabでは、趣味趣向による情報の選択が行われやすい「新聞折込広告」と「雑誌」に焦点をあて、女性とメディア接触の関係についてご紹介します。

新聞折込広告・雑誌の接触率(週1回以上接触している割合)

 まずはじめに、新聞折込広告と雑誌の接触率(週1回以上接触している割合)について、30代の女性に着目し、そのライフコース(※1)別の違いをみてみました。
 新聞折込広告の接触率(図1)をみると、「働くママ」「独身OL」「専業主婦」が約4割の接触率となりました。
 「働くママ」は42.5%と接触率が最も高く、仕事や家事、子育てに忙しい中でも新聞折込広告からお得な情報を得ようとする情報感度の高さがうかがえます。
 雑誌の接触率(図2)は「独身OL」(24.7%)が最も高い割合となりました。「独身OL」は自分に対して積極的に時間やお金を投資することに意識が向きやすいのでしょうか。趣味や興味の対象について雑誌であれこれ情報収集する姿が目に浮かびます。
 次に新聞折込広告、雑誌から具体的にどのような情報に触れているかをみてみます。
※1:ライフコースとは個人が生まれてから死ぬまで、年齢を重ねるとともにたどる人生の道筋のこと。
「仕事」「結婚」「出産・育児」といったライフイベントに基づき、ライスコースを分類している。さまざまなライフイベントを経験する30代前後からライフコースが多様化する傾向にある。

ふだん見ている新聞折込広告の内容・テーマ

 生活に密着した情報源として親しまれている新聞折込広告。住んでいる地域のお店の買物情報や様々な商材の通信販売情報などが新聞とともに手元に届きます。
 様々な業種、様々な商品・サービスの新聞折込広告の中で女性たちはどのような分野に関心があるのでしょうか。図3は15〜69歳の女性を「独身OL」「DinksOL」「働くママ」「専業主婦」「学生」といったライフコース別に「ふだん見ている新聞折込広告の内容・テーマ」を散布図に表したものです。
 図の縦軸を見ると、年代に関わらず「独身OL」「学生」は自分自身で消費するものに関心があるのに対し、「専業主婦」「働くママ」「DinksOL」などの既婚者の多くは家族で消費するものに関心を示す傾向がみられます。
 また図の横軸に着目すると、若い年代では生活に+αの価値をもたらすものに関心があり、年代が高くなるにつれ日常生活に密着したものへ関心が変化しています。
 30代の女性たちをみてみると、「30代独身OL」と「30代DinksOL」は近いゾーンに位置します。その周辺に分布しているのは「百貨店」「通販(ファッション関連用品)」といった暮らしにちょっとしたトキメキを与えてくれそうな情報や、「賃貸住宅」 「居酒屋」などがあります。「賃貸住宅」の情報を見ながら新生活を思い描いたり、「居酒屋」の“女子会プラン”のようなお得な情報を見たりしているのかもしれません。
 また、「30代専業主婦」と「30代働くママ」も近いゾーンに位置しています。その周辺に分布しているものをみると、「ファストフード店」「学習塾・予備校」などがあります。ファストフードの新聞折込広告でよく見受けられるクーポンをきっちり活用したり、「子供の将来のために」と塾などの情報を気にかけている様子がうかがえます。

ふだん読んでいる雑誌

 近年、生活者の趣味趣向が細分化していると言われていますが、雑誌はそれに合わせるようにテーマが細分化され、様々な雑誌が創刊されています。
 30代の女性はライフコースによってふだん読んでいる雑誌にどのような違いがあるのでしょうか。図4は30代ライフコース別のふだん読んでいる雑誌TOP5です。
 「働くママ」「専業主婦」は料理レシピや節約術などが掲載された生活実用情報誌が上位を占めています。「専業主婦」は生活実用情報誌だけでなく、ファッション誌の『MORE』『VERY』も上位にあがっており、結婚しても女性として魅力的でありたいという思いが表れているように感じられます。
 一方、「独身OL」「DinksOL」は生活実用情報誌よりもファッション誌が多くあがりました。「独身OL」は働く女性のスキルアップにつながる情報が掲載されることが多い『日経WOMAN』が3位にあがっていることが特徴的に捉えられます。
※ふだん読んでいる雑誌・・・購入して読む場合のほか、書店やコンビニなどでの立ち読みや美容院や病院の待合室などに置いてあるものを読む場合も含む。

年代別分析:広告表現に関する考え方

 広告の表現方法について、女性たちはどのような考えを持っているのでしょうか。右のグラフにある10項目について聞いたところ、「ユーモアをまじえたものがもっとあってもよい」と回答された割合が最も高く60.2%、次いで「間接的な広告よりもきちんと説明されている方がよい」(56.0%)という結果でした。商品・サービスの魅力をユーモアとともに伝ようとする広告は多いですが、多くの女性たちがそういったものが「もっとあってもよい」と感じているようです。
 では、上位にあがった2項目を年代別にみるとどうでしょうか?
 「ユーモアをまじえたものがもっとあってもよい」は若い年代ほど割合が高い傾向があり、女性60代では46.5%と他の年代と比べ特に低い割合となりました。
 一方「間接的な広告よりもきちんと説明されている方がよい」は年代が上がるにつれ高い割合となっており、逆の傾向を示しました。年代によって好まれる広告表現に違いがみられることが改めてわかります。
 商品・サービスのターゲットに響く広告表現の開発は唯一の答えがない難しいテーマですが、この調査結果から広告の受け手側のキモチを感じ取ることができます。
【出典】 WisE「ライフスタイル調査2013」 調査期間/2013年2月1日〜2月5日 調査対象者/一都三県に居住する15歳〜69歳の男女 有効回収数/男性1,092 女性4,189サンプル 調査方法/インターネット調査 実査/株式会社インテージ

■WisEとは?

読売ISでは、多様化する女性の生き方や複雑なオンナゴコロを紐解くため、独自に調査したデータに基づく女性向けマーケティング・コミュニケーションモデル【WisE(ワイズ)】を開発。ライフコースを軸とした女性の意識や生活実態について調査・分析を進めています。Flabでは、WisEの調査結果を基にライフコースと女性の消費行動について紹介しています。
2013 October

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